医院ブログ

2017.01.31更新

当院では、29年2月より、内視鏡検査(胃カメラ、大腸内視鏡)の検査枠を従来の午前のみから、午後4時以降にも新たに設けることとなりました。
内視鏡検査をご希望でも、時間の都合がつかずなかなか受けられないといった方は一度ご検討ください。特に、胃痛、腹痛、腹部膨満感、嘔気(嘔吐)、食欲低下、体重減少、便通異常(便秘、下痢、血便、黒色便)を自覚しておられたり、胃がん検診や大腸がん検診で精密検査を指示されているものの、結局受けられずじまいの場合などは早めの検査をお勧めいたします。
夕方の検査をご希望の場合は、診察時にお申し出ください。検査をお受けいただく上での条件は以下の通りです。
1、 上部消化管内視鏡(胃カメラ)
朝食は8時までに消化の良いものをおとりください。昼食はとらないでください。
水分(水、お茶、スポーツドリンク)は15時まではお飲みください。
2、 大腸内視鏡検査
朝食は8時までに消化の良いものをおとりください。昼食はとらないでください
検査前の下剤は13時から飲み始めていただきます。
水分(水、お茶、スポーツドリンク)は検査直前までしっかりと御飲みください。
*夕方の検査ではお帰りの際に御足もとが暗い場合があり、検査中に鎮静剤や鎮痛剤を使用すると、転倒や事故などの危険が高くなる事が考慮されますの、これらの薬剤の使用に関しては付き添いの方とのご一緒の帰宅を条件とさせて頂きます。

投稿者: 内科・消化器内科 杉本クリニック

2017.01.07更新

今回は、近頃、有名人の発病を伝えるニュースなどで伝えられることもある、急性膵炎について述べさせていただきます。
その前に、膵臓って、身体のどの辺りにあって、どんな働きをしているのかご存知でしょうか?
場所(部位)は胃の奥(背中側)で、上腹部の正中より少し左寄りに位置し、マイクのような横長の形状をしています。
働きは、大きく分けて二つ。①〔外分泌機能〕食べ物の消化に欠かせない消化酵素(アミラーゼ、リパーゼ、トリプシン等)を作り、それらを膵管という管から小腸へ流し、文字通り栄養素の消化に一役買っています。②〔内分泌機能〕インスリンやグルカゴンといったホルモンを出して、血糖値をコントロールしています。これが狂うと、ご存知糖尿病を発症します。
急性膵炎の原因はこの働きの①に関連があります。この時期お酒のおつきあいも多いため、ついつい飲み過ぎがちで、この過剰飲酒が引き金となることが多いのです。通常、膵臓の中にある消化酵素は膵臓から十二指腸へ排出されてはじめて、酵素が活性化して、食物の中の栄養素を分解しますが、過度な飲酒刺激は膵内での消化酵素を活発化させます。いわゆる、膵臓の自己消化叉は自己融解という、自傷(自殺)行為が急激な経過で進行していくのが急性膵炎です。飲酒以外の原因では、胆石や特殊な内視鏡検査などにより膵液の流れがせき止められるなどして発症します。
症状は、持続する強い上腹部痛や背部痛、腸の麻痺を伴うと吐き気や嘔吐も見られます。加えて発熱したり、重症化すると急性腎不全や呼吸不全を伴ったり、DICといって血液が異常に固まったり逆に出血が止まりににくくなったりする全身に及ぶ障害を生じることがあり、大変危険です。この様な状況に対して、根本的な膵炎の治療方法はなく、あくまで、点滴などで水分補給をしたり、二次感染に対処する目的で抗菌剤を投与したりする対症療法を行い、自然回復を後押しする事くらいしか出来ません。
ですから、なってから治す事よりは、ならないようにする方が肝腎で、なかでも心がけておきたいのが、アルコールを飲み過ぎないようにする意識です。普段、飲みつけなない人がたまの宴席などで多量飲酒して発症すると言うよりは、常日頃から一定量の飲酒(ビール1.5l叉は日本酒3合弱以上)をしている方が、普段以上に飲酒した際に発症されている事が多いので、このような飲酒習慣のある方は要注意です。ついでに、高トリグリセライド血症(血中の中性脂肪が高値)も単独でも膵炎の原因となり、飲酒せずとも遺伝や生活習慣で中性脂肪が増えすぎて、膵炎を発症する場合もありますので、飲酒によりさらに中性脂肪も異常高値となり、より膵炎が発症しやすい状況となりうる場合もあります。このことからも飲酒量は控え目にして、食事では動物性脂肪をとり過ぎず、適度な運動を継続して行うことが中性脂肪の上昇を抑えるために重要です。ただし、ご自分の努力だけではなかなか中性脂肪が下がりにくい場合は投薬も治療の選択肢の一つとなります。

投稿者: 内科・消化器内科 杉本クリニック

2016.12.14更新

当院では本年10月中旬より進めておりましたインフルエンザワクチンが若干のご予約分を除いて終了いたしておりましたが、本日追加 のワクチンが入荷いたしました。ただし、数に限りがございますので、ご希望の方は予めお電話でお問い合わせください。

投稿者: 内科・消化器内科 杉本クリニック

2016.12.05更新

 12月は28日午前まで診療(28日午後より1月3日まで休診)させていただき、1月4日より通常診療となります。お間違えの無いようにお願いします。今一度、普段の定期薬の残数などをご確認いただき、休診期間中に不足の恐れがある場合、早めのご来院をお願いいたします。

投稿者: 内科・消化器内科 杉本クリニック

2016.11.15更新

11月第2週より、当院のHP(ホームページ)をリニューアルいたしました。以前にも増して、ご来院くださる患者様やHPを御覧の方々に少しでも有益な情報をお伝えできるよう努力する所存ですので、何卒今後ともよろしくお願い申し上げます。
遅くなりましたが、10月22日の古川橋メディカルプラザの開業1周年記念イベントには多数お集まりいただき御礼いたします。HPリニューアルのゴタゴタで皆様への御礼が遅くなり失礼いたしました。

投稿者: 内科・消化器内科 杉本クリニック

2016.10.15更新

10月15日より当院ではインフルエンザワクチンの接種を開始いたしました。

普段健康に過ごされている方でも発症しますと、一定期間の休業を余儀なくされ、日常生活に支障を来しますので流行を迎える前にワクチンによる予防をお勧めいたします。

ご高齢の方、抵抗力の低下している方(癌などの治療中、不安定な糖尿病を患っておられる)、慢性の呼吸器疾患(喘息や肺気腫)等をお持ちの方は重症化が懸念されますので是非ともお受けください。場合によっては2回接種もご検討ください。大事を控える受験生も2回接種を考慮されても良いケースと思います。

*2回接種の場合の間隔は通常4週程度が推奨されています。

費用は13歳未満の方 ¥2.700、満13~64歳の方 \3.300、満65歳以上の方は¥1.000です。詳しくはお電話(06-6115-5086)でもお問い合わせてください。

投稿者: 内科・消化器内科 杉本クリニック

2016.09.21更新

よろしくお願いいたします。

投稿者: 内科・消化器内科 杉本クリニック

2016.09.12更新

がん検診の中でも、『大腸がん検診』はコストや手間も少なく(便を容器に採取するという行為に抵抗のある方はおられるでしょうが・・)、比較的ハードルが低い検診のひとつかもしれません。がん検診の趣旨としては、参加するハードルを下げで、多くの受診者を得て、がんの早期発見と早期治療導入に結び付けることで最終的には対象となるがんの生存率、治癒率を向上されるものだと思います。

その観点からすると、大腸がん検診は他のがん検診と比べると、自宅で検体を採取でき、場合によるとポストへ入れて結果を待てばよいので、ラクチンな検診といってもよいですね。

ただし、その結果に対する判断にはややもすると、落とし穴があるかもしれません。というのは、大腸がん検診で検出されるのは、がん細胞の存在ではなく、微量の出血反応(ヒトヘモグロビン)であるということです。どういうことかと申しますと、‘がん’が大腸内にできると、腸の中を進んでくる便塊が、正常の大腸粘膜よりはるかに脆く出血しやすい‘がん’の表面と接触することで、にじみ出た血液が便の中に絡み混入し、この便中の微量出血を検出しようというものです。よって、陽性反応のあった場合は、精密検査として大腸内視鏡検査をお勧めすることになります。ただ、ここでお気づきの方も多いと思いますが、出血イコール‘がん’の徴候というのは、オーバーであるということです。がんにまで進んでいなくても良性のポリープ、さらには腸炎、痔、異常血管からの出血などといったいわゆる良性疾患でも、便潜血反応が陽性になります。よって、大腸がん検診でひっかかって要精査と判定されたといっても、直ちにがんと判定されたわけではなく、「なんらかの出血原因を念のため調べておきましょう」という程度のニュアンスとご理解ください。便潜血検査で陽性の方が実際に内視鏡検査などでがんと確定診断されるのは2%程度と言われていますが、がんより悪性度の低いポリープまで広げると、便潜血陽性の方の半分程度で発見されると言われています。ですから、初めて便検査で陽性と指摘された方は、念のため精密検査をご検討ください。

一方、陰性との判定の場合、ほっと胸をなでおろされることとおもいますが、ポリープや早期がんが存在しても陰性である場合があります。であれば、便潜血の結果は全く信用できないのではと思われるかもしれませんし、初めから全員に内視鏡検査を勧めるべきという議論もありますが、これは精密検査(内視鏡検査)を実施する側のキャパシティの問題もあり、便の潜血反応をもって一定の線引きを行っているのです。ですから、腹部症状や便通異常がある(急に便秘傾向になっている、便は出るが細く少しづつしか出ない、排便前に急に差し込むような腹痛があり排便後に症状が良くなる、便秘と下痢を繰り返す、明らかな肉眼的な血便がある、便に粘液が混じることがある、便やガスのにおいが腐敗臭の様など)、大腸腫瘍の病歴又は家族歴がある等といった場合は、便潜血反応の結果の如何にかかわらず、精密検査を考慮いただく必要があるということです。

 大腸内視鏡検査

精密検査の方法は、精度からすると大腸内視鏡検査がもっとも勧められますが、やはり羞恥心や人づてに聞く‘苦しい検査’というイメージから、内視鏡検査は敬遠されがちです。長年、大腸内視鏡検査に携わってきましたが、受けられる方の苦しさやしんどいという声はゼロにはなりません。検査医の技量もさることながら、受けられる方の体型、手術歴(腸管癒着の有無)、大腸の緊張度(個人差があります)、大腸憩室の有無などにより、検査中の苦痛・違和感は個々によって、また同じ方でもその日の体調によっても変わることもあります。緊張感で腹筋に力が入りすぎても、スコープがスムーズに進んでいかないこともあり、適宜鎮静剤や鎮痛剤を使用しリラックスしていただく方が、比較的楽に受けていただけることが多いとは思います。ただし、これらの薬剤の副作用で呼吸が浅くなったり、血圧が下がることもあり、検査後もしばらく頭がボーとしてふらついたりすることもありますので、これらの薬剤を希望の方は可能な限り付き添いの方との同行頂くようにお願いいたします。

検査の準備(前処置)も施設ごとに少しづつ違いがあり、当院では前日夕まで普通に生活して頂き(前日の食事は消化の良いものを指導)、特殊な下剤を検査当日の検査開始4時間前(遅くても2時間前)から飲んで頂き、腸の中をきれいに掃除します。元々、便秘気味の方は検査の2-3日前から軽めの下剤を併用して検査に臨んでいただくと、当日の検査までの流れがスムーズに運びます。

 大腸腫瘍(大腸ポリープ、大腸癌など)の診断と治療

大腸の腫瘍はキノコみたいなポリープもあれば、わずかな粘膜の赤みで発見される平坦なもの、隆起が高く凸凹していて深い潰瘍を伴う一見してそれとわかる進行癌まで形態は様々です。大型のポリープの場合はやはり悪性度が高いことが多いですが、小型(10㎜以下)では良性がほとんどです。但し、良性の中でも全く心配のないもの(将来的に癌になる可能性がほとんどなく、治療不要)と、予防的な切除も考慮すべきもの(将来的がん化する可能性もあるもの)に分かれます。これば、通常の内視鏡の観察で判別することもできることもあれば、当院でも行っております拡大観察(顕微鏡のように拡大して腫瘍の表面構造を観察する)ことにより、より正確に悪性度を判別しております。従来はイチイチ腫瘍の一部かじりとって一旦腫瘍の悪性度を病理検査で判定して、別の機会に再度内視鏡を挿入し病変を切除しておりました。この場合、二度手間になるばかりか5㎜以下の小病変の場合、二度目の内視鏡の際に前回指摘の病変がなかなか見つからないこともあります。小病変の場合は襞の隙間に隠れてしまいやすいことや、生検で病変が小さくなりすぎて視認できなくなってしまう等の理由に因ります。よって、小さい病変ほど初回検査時に切除必要と診断できれば、その場で切除するに限りますので、当院でもできる限りその方針のもと、対処するようにしております。ただ、10㎜を超える大型のポリープの場合は、合併症の観点などから、より安全で確実な切除を行うため、提携病院での治療をお勧めしております。大腸癌のリスクを下げるために、一旦ポリープの無い状態(clean colon)を目指すというのが最近の考え方です。

投稿者: 内科・消化器内科 杉本クリニック

2016.08.03更新

8月は16日(火)は午前診のみで、午後診は休診とさせていただきますが、それ以外は通常通りとなりますので、よろしくお願いいたします。

投稿者: 内科・消化器内科 杉本クリニック

2016.07.19更新

今回は肝臓の病気の一つである慢性肝炎について書かせていただきます。その前に、肝臓って、どこで診てもらえるのかって事を度々耳にしますが、如何でしょうか?肝臓内科とか、肝胆膵内科のように肝とつけば分かりますが、普通はクリニックや病院で消化器内科が肝臓病も担当しています。当院も例外ではありません。消化器というと、胃や腸といった『管』状臓器を意味しますが、位置として胃腸と近くお互いに血管などのつながりのみならず、栄養素の取り込みや合成では密接に連携しあっています。よって、広い意味での消化器系臓器にふくまれています。
話が脱線しました。慢性肝炎に戻ります。年単位から10年単位にわたって、ジワリジワリと肝臓の細胞が破壊され続けると、肝臓が硬く縮んで働きの鈍った状態である肝硬変になり、さらには肝臓がんが発生してしまうという一連の流れがあります。基本的には、肝臓は余力の十分ある臓器ですので、肝細胞がジワジワ破壊されていても(健診データでALT正常値30以下のところが40~せいぜい200位まで上昇しても)、症状は殆どでません。よって、定期的な健診を受けていないと、まず早期診断が成されず治療時期を逸してしまいます。20年前になりますが病院で当直をしていて、突然の激しい腹痛で救急搬送された患者さんが、実は肝臓がんの破裂(がんが自然に割れて、お腹の中に大量出血)と判明し、なんとか緊急カテーテル治療を行いその場は一命は取り留めました(半年後に肝不全で亡くなられました)。この患者さん本人は肝がん破裂するまで全く自覚症状もなく、健診なども受けておられなかったため肝臓が悪いとは露ほどにもご存知なかった事には正直驚きました。
とことで、慢性肝炎の原因として問題となっているのが、ウィルス性肝炎です。そのほとんどを占めるのは、B型肝炎(20%)とC型肝炎(70~80%)です。
今回はC型肝炎について述べさせていただきます。大方は血液を介して感染しますので、1989年以前(C型ウィルスの発見される前)の輸血、刺青や覚醒剤注射の回しうちなどによって感染されていることが多いとされていますが、中には全く感染経路がわからないケースもあります。基本的に感染力は弱く、食器や洗濯物、出産及び授乳、性行為等では感染することは少ない考えられています。
感染の心配のある方はお近くの医療機関や肝炎ウィルス健診(お近くの保健所や厚労省HP参照)にお問い合わせ下さい。実際の流れとしては血液検査でHCV抗体を測定し陽性反応を確認した後にさらに詳しい検査(ウィルス量やウィルス血清型などの血液検査、腹部エコー検査など)を追加し、現時点で治療が必要な状態かを判断されます。
治療法は、以前ではインターフェロン(IFN)を中心とした、いわゆる副作用の’しんどい’治療しかありませんでした。インフルエンザ的な高熱、鬱症状などが辛すぎて治療が最後まで完遂出来ず、ウィルスを撃退に至らないまま治療を中止しまったということが少なくありませんでし、IFN治療が生まれつき効きにくいといった方もおられれ、IFN治療には越えられない限界が存在していることが判ってきました。
それに代わって、この2ー3年前から登場したインターフェロンフリー治療(IFNを使用しない)治療法が登場しました。注射不要で内服のみで済みますし、IFNのしんどい副作用からは解放され、何よりIFN以上の高い効果が期待できるのです。高額な治療ですが、国の公費助成の対象にもなっており、3~6ヶ月間の治療期間での自己負担額上限は月額2万円(または1万円)です。
C型肝炎にお心当たりがあったり、以前から判っていてもなかなか治療に踏み出せなかった方は是非とも一度ご相談ください。
ちなみに公費助成の申請書は日本肝臓学会の専門医(小生も有します)にしか作成資格がありませんので、まずは医療機関にご確認ください。

投稿者: 内科・消化器内科 杉本クリニック

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