上部消化管内視鏡検査(胃カメラ検査)

上部消化管内視鏡検査について

当クリニックでは上部消化管内視鏡検査(胃カメラ検査)として、お口から内視鏡を挿入する「経口内視鏡検査」以外にも、鼻から挿入する「経鼻内視鏡検査」にも対応しています。
経鼻内視鏡検査の場合、内視鏡は舌の付け根に触れず喉に直接入るので、嘔吐反射の強い方でも安心して検査を受けて頂くことができます。

経鼻内視鏡検査のメリット

  • 嘔吐反射が強い方でも安心して検査が受けられる
  • 心拍数や血圧の検査を抑えた状態で検査が受けられる(経口内視鏡検査の場合、検査中に心拍数や血圧が上昇することが多いとされている)
  • 検査時の吐き気などの不快感が軽減できるので、患者様が必要な時にためらわずに検査を受けることができる
  • 患者様に与える負担が少ないので、ドクターも安心してじっくりと検査することができる
  • 撮影精度は経口内視鏡検査と比べても遜色がないので、わずかな病変も見逃さずに発見することができる

上部消化管内視鏡検査の流れ

1検査前日

検査前日の夕食は21時までにお済ませください。お水などは少量であれば、検査当日の朝までお飲み頂いてもかまいません。

2検査当日(朝)

飲水はかまいませんが、食事はとらないでください。喫煙も避けてください。糖尿病などのお薬も一切飲まないようにしてください(検査後にお飲み頂けます)。

3検査前の処置

ご来院頂きましたら、検査室にて胃の中の泡を消す水薬を服用して頂きます。

4麻酔

経口内視鏡検査の場合には口に、経鼻内視鏡検査の場合には鼻に麻酔を行います。麻酔の処置には10~15分程度かかります。

5検査

上部消化管内視鏡検査を行い、ドクターが患者様の胃の内側などを詳しく観察します。患者様によっても異なりますが、検査時間は5~10分程度です。

6検査終了

検査終了後、すぐに検査結果をご説明します。

上部消化管内視鏡検査後の注意事項

口(経鼻内視鏡検査の場合は鼻)の麻酔が続いているので、検査後1時間程度は飲食・飲水・うがいなどは行わないでください。ただし、軽く口をゆすぐ程度であればかまいません。1時間程度経過した後、お水などを少量飲んで問題がなければ食事もとって頂いて大丈夫です。

上部消化管内視鏡検査で発見可能な病気

喉の病気

  • 咽頭癌
  • 喉頭癌

など

食道の病気

  • 食道癌
  • 食道潰瘍
  • 食道静脈瘤
  • 逆流性食道炎

など

胃の病気

  • 胃癌
  • 胃ポリープ
  • 胃粘膜下腫瘍
  • 胃炎
  • 胃潰瘍
  • 慢性胃炎(萎縮性胃炎)

など

十二指腸の病気

  • 十二指腸潰瘍
  • 十二指腸ポリープ
  • 十二指腸炎
  • 十二指腸乳頭部腫瘍

など

上部消化管内視鏡検査の受診をおすすめするタイミング・自覚症状

年齢が40歳を超えた
咽頭癌、食道癌、胃癌などの家族歴がある
バリウム検査で異常が見つかった
最近、よくゲップが出る
喉や胸につかえ感を覚える
みぞおちのあたりに痛みを感じる
よく胸焼けを起こす
よく胃もたれや吐き気を起こす
黒色の便が出る
運動するとすぐに息切れをする
最近、体重が減ってきた

ピロリ菌除菌療法

ピロリ菌とは

ピロリ菌の正式名称は「ヘリコバクター・ピロリ」と言い、人などの胃の中の粘膜の生息する細菌で、慢性胃炎のほか、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃癌などの病気を引き起こすことがあるとされています。
現在、40歳以上の日本人のうち、半数以上の方がこのピロリ菌に感染していると言われており、感染している場合でも自覚症状がない場合が多いので、症状の有無にかかわらず一度検査を受けられることをおすすめします。
ピロリ菌は血液検査などにより感染を確認することができ、陽性であると判定された場合には抗生剤により除菌することが可能です。

ピロリ菌の検査・除去

ピロリ菌の検査

ピロリ菌の感染を判定する検査には次の6種類があり、当クリニックでは主に「抗体測定」と「糞便中抗原測定」によって感染を確認します。なお、平成25年2月より胃潰瘍、十二指腸潰瘍に加えて、慢性胃炎も保険診療の対象となりました。ただし、その際には上部消化管内視鏡検査を受けることが必要で、検査を受けない場合には自費診療となります。

迅速ウレアーゼ試験

ピロリ菌が作り出す「ウレアーゼ」という酵素の活性を利用し、発生した尿素を測定して感染を判定します。

 
鏡検法

採取した胃の粘膜を染色して、顕微鏡でピロリ菌の感染を判定します。

 
培養法

採取した胃の粘膜を培養して、ピロリ菌の感染を判定します。

抗体測定

採血した血液中からピロリ菌の抗体を検出することで、感染を判定します。

 
尿素呼気試験

検査薬を服用し、服用前後の呼気を集めてピロリ菌の感染を判定します。

 
糞便中抗原測定

糞便中からピロリ菌の抗原を検出することで、感染を判定します。

ピロリ菌の除去

検査によりピロリ菌の感染に感染していると判定された場合には、通常、1週間(1日2回)抗生剤を服用して除菌します。そして8週間後に再度検査を行い、ピロリ菌が除去されたかどうかを判定します。
この時、陰性と判定されれば治療は終了となりますが、まだ陽性であった場合には別の抗生剤を1週間(1日2回)服用して除菌を試みます。
なお、ピロリ菌除菌療法は2回まで保険診療で受けて頂くことができますが、3回目からは自由診療となります。ただし、90%以上の方が2回の治療で除菌に成功しています。

ピロリ菌除菌療法の流れ

1ピロリ菌の検査

「抗体測定」や「糞便中抗原測定」などの検査を行い、ピロリ菌の感染を判定します。この時、陰性と判定された場合には、治療は終了となります。陽性と判定された場合には、除菌に移ります。

2除菌

抗生剤を1週間(1日2回)内服し、ピロリ菌の除菌を試みます。

3検査(2回目)

抗生剤内服から8週間後に再度検査を行い、ピロリ菌が除菌されたかどうかを判定します。この時、陰性と判定された場合には、治療は終了となります。陽性と判定された場合には、再び除菌に移ります。

4除菌(2回目)

1回目の除菌とは違う抗生剤を1週間(1日2回)内服し、ピロリ菌の除菌を試みます。

5検査(3回目)

2回目の抗生剤内服から8週間後に再度検査を行い、ピロリ菌が除菌されたかどうかを判定します。この時、陰性と判定された場合には、治療は終了となります。陽性と判定された場合には、再び除菌に移ります。ただし、3回目の除菌は自由診療となります。

ピロリ菌除菌療法の注意事項

  • 除菌治療中の飲酒はお控えください
  • 胃酸を抑える薬を飲むと、検査の判定に影響をおよぼす場合がありますので、服用される際には一度ご相談ください

ピロリ菌除菌療法の受診をおすすめするタイミング・自覚症状

年齢が50歳を超えた
よく胃の不調を感じる
胃癌などの家族歴がある