医院ブログ

2017.05.16更新

 新年度がスタートし、既に一月半が経過しましたが、仕事場や学校叉は自治体の健診が既に始まっている頃かと思います。一般的な内科系健診の場合の内容としては、身体測定(身長、体重、腹囲)、血圧測定、検尿、血液検査、心電図等になります。健診の意義としては、普段、定期的に医療機関に掛かっていないか、掛かっていてもごく限られた分野のみが対象の場合、ちょっとした体調の変化を早期に拾い上げ、大病を未然に防いだり、早期に治療導入に結びつくことが期待されます。
中でも、指摘されることの多い項目としては、肥満、高血圧、脂質異常、肝機能異常、高尿酸血症、高血糖叉は糖尿病が多いと思います。
 以前、このコラムでも書きましたが、高血圧は’サイレントキラー’と呼ばれ、血管の老化を促進し、心筋梗塞、大動脈解離、脳出血、脳梗塞、くも膜下出血等の重大な病気を引き起こす大元になるものの、多くの場合は無症状の為に放置されがちです。特に50歳代以下の若い方では、健診直後は勤務先や家族に促され真面目に通院されても、お薬などで一旦血圧が安定してしまうと、多くの場合受診を中断され、元の木阿弥になってしまうことが少なくありません。つまり、元々高血圧の症状がなく、一旦血圧が正常化することで、更なる通院の動機が無くなってしまうのではないでしょうか。若い方では日々の生活に追われ、痛くも痒くもない病態に関わってられないと言う事が本音ではないでしょうか。無治療又は治療中止で再び放置され、突前に心臓発作(多くは急性心筋梗塞)や脳卒中などを発症され、最悪そのまま帰らぬ人に、というケースも少なくありません。
 また、最近指摘さることが多いものに、肝機能障害があります。AST、ALT値の上昇が指摘されますが、多くの場合、脂肪肝の関与の比率が多いように思われます。脂肪肝という病名は肝臓病のなかでも比較的軽症な病態の響きを持っているようにお感じなると思いますが、時に肝硬変や肝臓がんにも発展する場合もあり、侮れないことをご了解ください。
 いずれにせよ、大事なことは、せっかく健診で指摘された項目については、放置しないこと、受診された場合はどこが、どの程度問題でありるのか、その活習慣の改善や治療に関して何が必要であるのかを、担当医から納得できるまで説明を受けていただき、問題点の解決に努めていただきたいと考えます。

 

投稿者: 内科・消化器内科 杉本クリニック