医院ブログ

2016.02.08更新

この冬の例年にない異常ともいうべき暖かさもあってか、いわゆるカゼ(感冒又は上気道炎)やインフルエンザの流行がなく、このまま平穏に春が訪れるのかとも思われていました。が、1月中旬以降からの強烈な寒波の到来により、それまでの暖かさに慣れてしまった身体は、年末年始の不摂生?とのダブルアタックで、ここにきて体調を崩される方が増えてきています。1月下旬からは門真市内の小学校からも続々とインフルエンザによる学級閉鎖の報告が届いております。

2月に入ってからは当院でも、インフルと診断した方々をお見受けするようになっております。大人のインフルの場合、カゼ症状(咳、のどの痛み、鼻水)と高熱のほかに、筋肉痛や関節痛、さらには単なるカゼではみられない強い倦怠感や疲弊状態が特徴的です。つまり、インフルでは気道の炎症に留まらず、全身症状が目立ちます。これは、インフル感染ではサイトカインという体内物資が大量に放出され、その結果として上記の全身症状を引き起こすとされています。少し話が脱線しますが、肝炎の治療薬であるインターフェロンはそのサイトカインの代表格ですので、インターフェロンの注射の度に、程度の差こそあれ、毎回インフルの症状が再現されるというのは、患者さんにとって、何より辛いものであるといえます。

まーそれはさておき、インフルと診断された場合の治療に関してですが、まずは安静と十分な水分補給です。体力保持の為にも無理して普段と同じように食べようとされる方もありますが、先ずは水分を少量頻回にとることが肝心です。水(白湯)、カフェインのすくないお茶、糖尿病の心配がなければスポーツ飲料等を枕元において、目覚めたときにこまめに補給すべきです。食事は解熱して身体が少し軽くなり、空腹感がでてからでも遅くありません。また、汗をかいたら、その都度濡れた衣類は着替えましょう!!
薬は、抗ウィルス薬の使用の有無も含めて、お掛かりの医療機関でご相談ください。今では、タミフル耐性インフルにも効果があり、服用も1回の吸入ですむラニナミビル(イナビル)が汎用される傾向です。

《補遺》 典型的なカゼ症状とは、のどの痛み、咳、鼻水がほぼ同時進行する病態を指しますが、ほかの症状が良くなっても咳だけが長く残ってしまう事があります。このよう中には、気管支喘息のプレ病態とでもいうべき咳喘息(せきぜんそく)、最近大人でも小流行の兆しのある百日咳やマイコプラズマ感染症等のこともあり、2-3週間以上も頑固な咳が続く場合は、医療機関でご相談ください。

投稿者: 内科・消化器内科 杉本クリニック